<本の紹介>火花
僕が紹介させて頂くのは一昨年芥川賞を受賞した「火花」です。
主人公の徳永は若手の漫才師。
ある日、熱海の花火大会の漫才営業で神谷と出会う。
神谷の面白さと人間性に魅力を感じた徳永は神谷に弟子入りをする。
芸人の世界の暗黙のルールで先輩が後輩におごるというものがある。
徳永は漫才だけでは食べていけないのでバイトをしていたが神谷はしていなかっ
た。
ある日、神谷の相方から電話があり、神谷は首がまわらないくらいの借金を抱え
ていると知る。
徳永は徐々に人気が出てき始めるが依然神谷は売れる気配がない。
神谷との関係も疎遠に。
そして神谷は失踪。
人気の落ちてきた徳永のコンビは解散することに。
最後の漫才をする徳永達を観客の一番後ろで誰よりも神谷は泣いていた。
そして2人は再開し素人参加型の「熱海お笑い大会」に参加すると決意。
「火花」を読んで、芸人としての葛藤、先輩後輩、信念とプライドの心情が凄く
伝わって来ました。
普段自分達が見ている芸人さんは本当に一握りの売れている方達。
漫才界の厳しさを確認させられる一冊でした。
広島営業所 前田